「―――――――なんでもゆうこときいてくれはんの?」




「あ゛ああ…」

嫌な予感がぷんぷんするがいってしまった手前、もう逃げられない。
しかも、相手はあの静留だ。分が悪すぎる。


静留はふんわりと笑うと


「ほな、今ここでキスして。」




「……なっ!!!!」



「なっ!やのうて、キス。今ここでうちにキスしておくれやす。」


静留の言ったことに思考がついていかず、なつきは真っ赤になって口をばくばくしているばかり。
そんななつきにもう一押し。


「…お願いやから。ね?」


少し悲しげに、とびっきりの上目遣いをしてなつきの首に腕を回し耳に吐息をかける。
そのとたん、なつきはビクッとなり表情が一変して甘いものになった。


「…静留」

「あかんの?」

「………………。」

今は授業中で人も滅多に通らないし、メインになってる道からは死角になっている。
しかし、外だというのがどうしてもひっかかってるらしい。

しばらく見詰め合って、なつきは意を決したように言った。


「…全く。少し、だけだからな。」


ちゅ、と静留の唇に子供同士がするようなキスだった。
恥ずかしがりやのなつきには上出来だろう。
しかし、静留はそれだけで放す訳なく
自分の掌をなつきの赤みをおびた頬にもっていき、離れないように深く口付けを求めた。


「っ!!しず…っ…やめ…」


非難の声がでたが、舌をつかまえねっとりと絡めると、なつきの力がフッとぬけた。


「んん…」


ゆっくり、じっくり絡み合わせ自分の首に腕がまわった。
それを確認すると、静留はなつきの腰に手をそえて、スッと目をあけた。
















―――――――そしてさっきから、こっちをみていた彼とわざと目をあわせた。
彼もきっと部活の後輩かなにかに会いにきたのだろう。
静留達の会話が聞こえて話かけようとしたのか


しかし、彼の目当ては決まっている―――――――――




目をあわせたまま、より赤が深みがかりいやらしく笑った。
なつきは自分のもの。
そして自分もまた、なつきに求められてると知らしめるように。




「……!!!!!!」




静留の意図を悟って真っ赤になったまま走り去っていった。
その表情は悔しさがまじりあっていて。



それを見届けて、静留は目を閉じ欲情のままなつきを求めていった。













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