視線


まだ自分がなつきに気持ちを打ち明けていないとき

どんなに彼のことがうらやましかったことか。


好きであれば、すぐにでも想いが伝えられる。
周りにも相手のことも気にせずに好きと。
大好きと伝えられる、とても普通な恋愛のことを。

そして、自分にはできなくて彼にはできて。
なつきを想う気持ちは誰にも負けない。それなのに。


気持ちすら伝えられない恋。
叶うはずのない恋。
そう、自分で押し込めていた恋…。






しかし、今は







「…っなつき、愛しています」


「………わた、しも好きだ…」










小さい声でぼそりと。
涙がでてくる。





―――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――――――












結局、なつきとの行為に火がついてしまい最後まで追い詰めてしまった。
腕の中で、ぐったりと静留によりかかっている。



「堪忍なぁ、なつき。うち我慢できんかったん」


「…全くお前はいつもいつもいきなりで」



涙目で真っ赤な顔で、にらまれても戯れにしかならない。
静留はたまらないといった風になつきをぎゅっと抱き締めなおした。


「ほんま堪忍。ちょお昔のこと思い出してな」


「昔のこと?」



なつきが怪訝そうに尋ねると静留はふふっと笑ってなんでもない。という。




「ほんまに母校に戻るといろんなこと思い出しますなぁ。…なつきが寮に下着を吊るしたこととか」



「おまえ!!それは忘れろっといっただろう!!」


「いーえ。あんな絶景ぜったい忘れません。」


「静留!!」








愛おしい彼女。
彼には悪いがこのコだけは絶対に譲れない。






あとがき→