彼がいた。
自分の独占欲には困ったものだ。
凍えるような寒さからだんだん暖かくなり、今ではもう春真っ盛り。
大学生活にも慣れてきて、久々に自分が愛する人が通っている母校へと足を運んでみた。
この春特有の暖かさがそうしたのかもしれない。
――――――――――――風華学園。
なつきと出会い、そして互いに想いが通じ合い一緒に消滅していった場所。
そこは言葉では言い表せないような不思議な空気につつまれている気がする。
…まぁ、実際にはオーファンやらでおかしなことだらけだったが。
(―――そういえば、なつき。オーファン退治やゆうて、下着ぎょうさんつるしたことあったなぁ。)
その時のことを思い出すと、今でもふきだしてしまう。
あの作戦を持ち込んだときは冗談だと思ったが、なつきは真剣そのもので。
(顔真っ赤にして、なに言うかと思うたら…ほんまかいらしいんやから。)
懐かしいところにくると、ついその時の思い出にひたってしまう。
すると、自分が想っていた人物が目に飛び込んできた。
あまりに愛しすぎて幻覚がみえたのか。
いや、違う。あのコのことを一番知っているのは自分なのだから。
「……なつき」
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