昔、人を好きになる気持ちなんてわからなかった。
わかりたくもなかった。
人は裏切るから。
人なんて信じられないから。

だけど、静留と出会って
静留が私に向けている想いが私を変えてくれたのだ。
人は一人では生きていけない。誰かをまた愛するということを。

あの教会で、私は静留にそういう風にはみれないと言った。
確かにそれがあのときの本当の気持ち。
私の一番大切な人。
それは変わらない。静留の気持ちに答えられなくても一緒にいたいと思う。
これが好きという気持ちなのかよくわからないまま。









だけど、今では―――――




「気持ちは変わるんだって、身をもって知ったはずなのに」



自笑してしまう。
私と静留が出会った場所。
きれいな花が一面に咲いていて。





「こんなにも好き、になるなんて」
無意識の内にこんなにも自分は静留を欲している。





「花、か」




胸の苦しさから、また花をにぎりつぶそうとした。
しかし、止めてくれるあの人はいない。



「し、ずる…」



なつきは花にすがるようにしゃがみこみ、愛おしい名前をつぶやいた。







出会ったときと変わらず甘い花の香りがした。











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